ポリエステルを染色する染料といえば、一般に「分散染料」ですが、

この分散染料も、元々は水には不溶なのですが、界面活性剤で水中に分散させ、

それを高温・高圧化でポリエステル繊維の中に分散させて(押し込むイメージ)

染色していく「染料」です。 水に溶けるのが「染料」のはずなのに、実際は

水に溶けずに分散するだけ、繊維と反応するわけでもなく、染着するとなると、

この「分散染料」もなんだか「顔料」っぽいようにも感じられますよね。。

 結論を言ってしまうと、繊維の世界ではシンプルに、「バインダー」(糊)を

使用して、色の粒を繊維にくっつけるのが「顔料」、それ以外の力で染着させる

のが「染料」、ということになっていると思います。

 スクリーンプリントや、無地染めの場合、昔から「顔料プリント」や

「顔料染め」という手法はあって、どちらかというと工程がシンプルな(発色

(蒸し)・洗い工程がない)ことから、安価な商品に使われてきました。

 「顔料(プリント・染め)は安物」という感覚が、いまだに繊維の世界に

根強く残っているのは、このためですね。