従来製法ですと、糸を染めて、経糸と緯糸を組み合わせて織り上げて、糊抜きをして
仕上加工を行って、、という生地作成に数カ月かかり、しかも1柄数百枚というロットで
作らないとならないのに対し、私たちの作っているシャツは、ベースの白生地さえあれば、
プリントに1週間、ロットは必要な枚数のみ、という「気軽さ」で作れてしまいます。
しかし、これって、いいコトなのか。。。? 少し悩みました。
私もメーカー育ちなので、本来モノつくりって、大勢の人が知恵を絞り、汗水垂らしながら、
皆で力を合わせて作ってナンボ、みたいなイメージが心の中に強くありました。
それに比べれば、デジタルでのモノつくりは、あまりに安易で楽ちんで、イメージと
アイディアさえあれば、あっという間に、気軽に製品が作れてしまいます。
。。。でも、良いんですね。これで。 技術革新の時代、何も好き好んで苦労をする必要は
ないのだと思います。というか誰も、出来る限り、(しなくて済む)苦労はしたくないですよね。
実際、今回のシャツに関してもプリント用のデータを作るのには、かなりの労力をかけて
います。サンプルも作成して、確認・検討を行いながら、最終決定まで相当の時間をかけて
きました。(サンプル作るのに要する時間はかなり短いですが)
人間って、企画書やイメージ図だけでは、なかなかピンとこないのですが、目の前にモノがあると、
それが良いか悪いか、どこを直せばいいか、比較的すぐに判断できるものです。(しかも、
気になるところは、大多数の人が一致します!)
ということは、デジタルで見本を即作って、正しい検討・修正を繰り返せば、短期間で大勢の人の
満足のいくモノが完成する、ということになります。従来であれば、サンプル作成に入る前に
検討・修正を重ね、いざ見本を作ったら今一つ、、、再度作成するにも時間が、、、となって
いたのが、夢のような話と思います。
当社がテーマに掲げている「繊維のDX」というのは、こうしたところから始まっていくのかなぁと、
そんな風に感じています。