熱い想いが伝わる、かどうかは分かりませんが、デジタル技術を応用してモノを
作る場合、敢えてアナログの素材をスキャン等で取り込んで、データ化して出力、
という方法を採る場合もあります。イギリスの某有名プリントファブリックブランドも
手描きや偶然出来た意匠をデータに取り込んで、再構成してプリント、ということを最近
頻繁にやっています。スキャンや撮影で取り込んだデータをそのまま出力表現できるのは
デジタルプリントの良いところであり、画像の修正は、ソフト上でいくらでも出来るので
こうした手法を採るブランドは他にもたくさんあります。
逆に1から10までデジタル上で作ったデザインは、何かウソ臭い感じがして、気持ちが
悪いという人が多いように思います。音楽でも同様に、AIが100%作った音源は、
何か気持ち悪くなる(笑)ため、あえてアナログの音源を取り込んで、再構成する場合が
あるように聞いたことがあります。
この「何か気持ち悪い」という感覚は、人間が機械には慣れたものの、どうしても馴染めない
最後の部分のような気がして、これがある限りは「人間でいられる」のかもしれません(笑)
ちなみに当社のネットショップ「FavFab」で販売している、「先染め調」シャツですが
これも、元は織物のパターンを読み込んだ上で、再構成・配色を行っています。かなり手間の
かかる作業なのですが、このおかげで、ナチュラルな「先染め」感(実際は、1本1本の糸の
陰影まで表現しています)が表現でき、先染めシャツのプロが見ても、一目では「プリント」と
見抜けないレベルになっています。