日進月歩で進化してきたデジタルプリントですが、実はいま、一つの転換点に
差し掛かっています。まず、進化の大きなポイントであった「解像度」ですが、
現在我々が使用している最新型プリンタ―の「解像度」は、いったいその後いったいどこまで
進化したかというと、、、、実は現在も「720dpi」近辺が主流なんです。
180→360→720→1440、と倍々で「進化」してきた「解像度」ですが
現在は720dpiで通常出力し、場合によっては360dpiで打つこともあります。
「進化が止まった」理由、それは我々人間の方にあるようです。結局のところ、解像度を
ある程度以上「細かく」しても、人間の目には見えない(わからない)ので、意味が
無くなってしまいます。これは、紙の印刷の世界でも、テレビなどのディスプレイ表示の
世界でも同じことのようで、解像度が高い方が性能が良い、ということは最近あまり
聞かなくなった気がします。人間の識別能力を超える表示能力は意味がない(むしろ、
他のデメリット含めると止めたほうがいい)ということなのでしょう。
現在は「いかに細かく打つか」(解像度)よりも、液滴サイズ(=インク量)を適量調整し、
狙ったところに正確に点を落として(着弾精度)「いかにバランスよくきれいに打つか」が
技術開発の中心となっているように思います。このおかげで、現在の我々は、開発当初に
あった「謎の赤い点」や「ツブツブ感(=「粒状感」という言葉はインクジェットの否定的
表現として当時よく用いられました)」から解放されたのでした。