かくして様々な苦難の中、何とか船出をしたデジタルプリントでしたが、その後の
「進化」には目を見張るものがありました。我々が元々携わっている「繊維」の世界は
戦争(第二次世界大戦)前には、ほぼ技術革新が終わっていて、現在行っている
製造方法は、ほとんど100年前と同じやり方となっています。
一方で、デジタルの世界はまさに日進月歩で、例えば当時プリントの精細度を表現
するのに、どれだけ細かくインク(ドット)を打てるか=「解像度」というものが
喧伝されて、360dpi(ドット/インチ:1インチにいくつドットが打てるか)が
720dpiとなり、間もなく1440dpiのプリンターも出て、、という具合に
瞬く間に進化していきました。
プリントのスピードも、当初は1分間に1mプリントできるかどうか、だったものが
2m/分になり、5m/分のものが出て、現在では、30m/分、中には7~80m
というプリンターも存在しています。
「解像度」と「スピード」。インクジェットプリント機メーカーが、凌ぎを削って
開発競争を行ったのが1990年~2010年頃の話です。