ラスコーの洞窟画や、高松塚古墳の壁画、ミケランジェロやダ・ヴィンチの

描いたフレスコ画。 美しい色彩を現代まで保てた理由は、元々使用された

顔料の堅牢性に加えて、共通するのは、絵の表面に起きた炭酸カルシウム形成と

言われています。洞窟内では、その周辺環境から自然に起きたものと考えられますが

フレスコ画においては、意図的に顔料を炭酸カルシウムの中に閉じ込め、その

美しさを永遠に残そうとしたわけです。(フレスコ画が「大理石の中の永遠の絵画」

と言われる所以です。)

 現在開発中の新型顔料も、その色彩の美しさはもちろん、堅牢性にも重点を置いて

開発されています。加えて、それを上からカバーする機能剤を付与することで、

一層高い堅牢性を維持しています。

 もしかすると、この顔料で染めたものは、これから2万年経っても、そのままの

美しさを保っているかもしれません(笑)