ここで、現在開発進行中の最新型顔料デジタルプリンターにも

使用されている「顔料」の特性について、お話をしたいと思います。

前にお話したように「顔料」は、「染料」とともに、人類の歴史の

様々な場面を彩ってきました。ただ、ラスコーなどの壁画や、中世の

フレスコ画、我々が今でも目にすることができる鮮明な色彩は、

主に顔料によるものです。染料による色彩(主に衣類やタペストリー

絨毯など)は、どうしても時間の経過と共に色あせてしまいますが、

顔料の場合、ある種の条件が重なれば、2万年前の壁画でさえも、

描かれた当時の色彩を保つことができます。ただ、それは条件次第、

顔料自体の堅牢度が高いことと、それを補助する機能剤があればこそ

ということになります。