「水で洗っただけ、なんですけど。。。」 私たちのところに来る「クレーム」で、よく

そう仰る方がいます。水で洗っただけなのに、色が落ちた、色移りした、等のクレームです。

え!?ナレッジさんの製品って、そんな簡単に色落ちしたり、色移りしたりする「不良品」

なんですか?国産のきちんとしたモノ作りをうたっているのに!?と驚かれるかもしれませんが、

実は、染料で染色した製品は、条件が揃えば、色落ちしたり色移りしたりする可能性はゼロでは

ないんです。一般に使用されている染料(染色性能の高い化学染料)は、通常、生地に染みこませた

量の、半分以下しか染着しないため、未染着の染料は洗い流さないと、色落ち・色移りの原因と

なります。この水洗工程にどれだけの水と労力をかけるかで、製品となった場合の堅牢度が

変わってくるわけで、おそらくその点で、日本の染工場さんは、世界トップレベルで水と労力を

かけていらっしゃると思います。それでも、色落ち・色泣きの可能性はゼロではありません。

そこで一番の「染工場泣かせ」となるのは、冒頭の「水で洗っただけ」なんです。それも、

水に一晩漬けただけ、とか。

染料は水溶性なので、未染着のものは、水やお湯につけて時間をかければ、必ず溶け出してきます。

また、水につけた繊維が膨潤すれば繊維の摩擦も大きくなって、その状態でゴリゴリ洗えば、

繊維の表面もダメージを受けやすく、毛羽立って色も褪せたように見えてきます。

そんな、問題に対応してくれるのが、「洗剤」です。一般の方ですと、「洗剤」=汚れが落ちる=

色も落ちる?と誤解されている場合もあるようですが、今の洗濯洗剤は非常に進化していますので、

未染着の染料が溶け出しても、再付着を防いでくれますし(汚れを落としても再付着したら意味ない

ですよね)、洗濯中の摩擦によるダメージを防ぎ、色落ちも防止してくれます。

洗う時の「気遣い」と申し上げましたが、適正な量の洗剤でやさしく洗う(できるだけ高浴比:

繊維に対して多い水の量:でも水がもったいないので、そこはそこそこで(笑))ということに

なります。これなら、ご家庭でも洗濯できますよね。