子供の頃、食卓に煮魚や焼き魚が出ると、必ず「この魚の「皮」って食べられるの?」と
聞いていました。すると、母親は「食べられる」「たべられない」を、実に即座に回答してくれて
おかげで我々子供たちは安心して皮まで食べたり、残したり、、まさに我々にとって母親は
「魚マイスター」のごとき存在でした。(他にも色々なマイスターでありましたが。。(笑))
さて、綿(コットン)の浴衣は洗えるか、という問題ですが、浴衣も「着物」の一種、という
感覚からなのか、ネットで「浴衣の洗い方」を検索すると、「エ〇ールで浸置き洗い」とか
「シミ抜きは・・」等出てきますので、皆さん非常に気を使っているのが分かります。
ただ、我々繊維業界の人間からすれば、浴衣は綿の普通の生地ですので、普通に洗えます(笑)
いわゆる「着物」は「絹(シルク)」ですので、素材もデリケートで、染料もデリケート、
普通に洗うとダメージを受けたり、色落ちしたり、ロクなことになりません。(知り合いに
それでもなんでも洗濯機で洗ってみる!というツワモノもいますが、一般の方には
あまりお勧めできません(笑)) 一方で、綿の浴衣は、綿なのでガンガン洗っても全く
問題がないか、といえば、それはお話が少し違ってきます。綿はシルクに比べれば丈夫な繊維で
タオルや下着、寝具からシャツ・ブラウス等に至るまで、様々な身の廻り品に使用されており
普通に毎日洗濯されていると思いますが、実は洗濯によって全くダメージがないかと言えば、
それは違います。綿が洗濯でダメージを受ける原因、それは綿の最大の「長所」の一つである
「吸水性」にあります。綿は水につけただけで、自重の数倍もの水分を吸収する性質があります。
この際、綿の繊維自体が吸水するため、糸が膨潤し、パンパンに膨らんだ状態になります。
このパンパンに膨らんだ状態で、ゴリゴリ洗濯をすれば、当然繊維自体がダメージを受け、
毛羽立ってきたり、シワになったりします。タオルや下着、寝具等ではあまり気にならないかも
しれませんが、おしゃれに着たい衣料品の場合、ある程度の気遣いは必要ですよね。
ある程度の気遣い、って、、、やっぱり素人には洗えないの??