「染料」と「顔料」、違いはなんとなく分かっている方は多いと思いますが、

実際にその「境目」となると、実は、結構微妙な話になります。

 大まかに言ってしまうと、「染料」は水や油などの溶剤に溶けるもの、

「顔料」は溶剤に溶けない(分散しているだけ)もの。 染色法的に言えば、

「染料」は素材と何らかの「反応」をして染着する(色を付ける)もの、

「顔料」は色の粒を素材に貼り付けるもの、という感じかと思います。

 いずれも歴史は古く、「染料」は天然染料(例えば「藍」(あい)はインド・中国で

染色に応用され、エジプトや地中海沿岸に広まった染料で、ミイラの巻布等にも

使用)から始まり、「顔料」といえば、ラスコーの洞窟画から、古代遺跡や神社仏閣、

様々なものを彩ってきました。

 現在でもデニム等で広く利用されている「染料」の「藍」(indigo)ですが、

実際の染色原理(実際は結構複雑)を簡単に言うと、植物の「藍」から取った色素を

アルカリ条件で水溶性にしたものを、繊維素材に浸透させ、酸化させることで

(不溶化)固着させるというもの。酸化する際に、あの鮮やかなブルーが発色するので、

その点は明らかに「染料」的なのですが、一方で繊維の中に入って不溶化して固着する

ところは、少し「顔料」的ともいえます。(擦って色が落ちるのは、顔料の専売特許(笑)

デニムは洗うと表面から「色落ち」して、あの独特の雰囲気が出せるわけですが、普通の

「染料」ではマネができません。) 。。。微妙ですよね。(笑)