「染料」と「顔料」の違いについて、簡単にご説明をしてきましたが、
どちらも何かに色を付ける、という意味では同じなのに、微妙なところで内容に
かなり大きな違いがあるというのは、何となくご理解いただけたかと思います。
テキスタイルの世界では、「化学染料」の登場によって、従来の染色と較べて
綺麗な色が、より簡易な方法で染色でき、堅牢度も向上したため、一気に
大量生産が進んだ歴史がありますが、一方で「顔料」は、簡便な安物プリントに
追いやられ、日陰の存在となってきたように思います。ただ、近年の技術の進歩により
従来の欠点であった「色の濃度」「堅牢度」「風合い」というデメリットが解消され、
そのメリット・可能性は無限に広がる可能性を見せ始めました。
(なんかクラスの地味で目立たなかった子が、大人になって、急にきれいになって、
性格も明るくなって、人気者になるような(笑))
次の章では、その片鱗を見せ始めた「顔料」の無限の可能性について、お話をしたいと
思います。