一方、スクリーンプリントの代替を目指すインクジェットプリントはどうなのでしょうか。

まず一番の違いは、「人の手を介さない」という点にあります。最近はオリジナルデザインが

そもそもデジタルの「画像データ」ということも多く、データ形式の問題はあるものの、

基本的に「そのまま」生地にプリントすることが可能です。私たちがディスプレイ上で見る

「画像」データは光の3原色(R・G・B)で構成されていますが、それを紙や生地などの

媒体に出力する際は、色の3原色(C・M・Y)(+BK)に自動で変換することになります。

もちろん、画面上のR・G・Bも、インクのC・M・Yも、理論上の色とはズレがありますので

それを補正しながらの処理になりますが、処理自体は基本的に全て機械任せで自動でできます。

ただ、人間の感覚は機械的数値とはまたズレがあるため、最終的には人間がデータの微調整を

行って、お客さまの確認・了解を得て、本番プリントという流れになっています。

というわけで、一部でどうしてもヒトの感性による調整は必要なものの、ほぼ自動で機械的に

処理ができるのが、インクジェットプリントの最大の特長となります。こうした特長のおかげで

誰がプリントしても、いつプリントしても、何回プリントしても、同じ出力結果が得られる、という

ビジネスを行う場合の、当たり前の条件が、テキスタイルプリントにおいても、ようやく

整いつつあります。(もちろん、実際は「プリント以外の」要因によって、必ずしも安定した

出力結果が得られていないインクジェットプリント現場もあると思います。

その辺りの、繊維独特の「要因」については、また別の機会にお話ししたいと思います。)