何とか「OK桝」と本番加工の色ブレを乗り越えて、初回加工のデリバリーを済ませても
困難はまだ続きます。。 努力の甲斐あって、初回デリバリーを行った商品が好評であれば、
「追加生産」(「レピート」と呼びます)の話が出てきます。アパレルさんですと、なかなか
同じ商品を複数年売り続けるということは稀なのですが、寝具やインテリアの世界では、
一度「定番」となると、同じ色柄の商品を5年・10年売り続けることもよくあります。
スクリーンプリントの場合、最初に型を作ったり、色を合わせたりという作業に、かなりの
手間と労力がかかるため、「レピート」が決まるのは非常にうれしい事なのですが、
一方で、数カ月前に加工した本番加工に、もう一度色を合わせる、というのは実は結構
大変な作業になります。
同じ「型」を使って、同じ「色」(色の配合データは全てコンピュータ管理で残っています)で
プリントしたら、そのまま合いそうなものですが、実際は、桝見本→本番加工の際にも、
各種の「調整」作業を行ってしまっているため、同じ「型」・同じ「色」でプリントしても、
そのまま同じ色にはなりません。再度、その時のP下生地(プリント用の白生地)の状態や
温湿度条件等に合わせて、同じ色となるよう「調整」作業を行います。
この時、通常は「前回の加工上がり」(1回前の本番加工の色)に合うように調整するのですが
これを繰り返し行うと、数年経って「オリジナル」(初回加工)と較べると、全く違う色になって
いた、ということもあります(笑) (カーテンなど、あらかじめ数年間継続予定の商品の場合は
「オリジナル見本」に毎回合わせる、というやり方をする場合もあります)
直近の色に合わせるのが良いのか、元々の色に合わせるのが良いのか、、究極の選択です(笑)